介護職経験のある方は、「介護職を2度とやりたくない」と思ったことはありますか。
理想と現実が違っていたとか、いろいろな理由で介護職を余儀なくされた方もいるのではないでしょうか。
この記事では、介護職を2度とやりたくない理由ですので、厳しい状況におかれていることには間違いありません。
ですので、今回はあえて理由を3つに絞り解説と解消法も併せてご紹介します。
私は、
- デイサービス
- ホームヘルパー
- リハビリ病院
などで介護職を20年経験してきましたので、体験談も併せてお話いたします。
人間関係が悪い
やめたいと思う一番の理由になりやすいのは人間関係が悪化ではないでしょうか。
相手に対して苦手意識があると、その相手の言動に無意識に否定的な考えを持ってしまうことがあります。
介護施設では様々な人たちがいて、
- 利用者様
- 利用者様の家族
- 介護士
- 看護師
など関わらなければならない人が大勢いるため人間関係のトラブルが起きやすいです。
職場によっては、きちんとした新人マニュアルもなく、なかなか新人が育たなく仕事の覚えが悪いとのことで、いじめにあうケースもあるようです。
人手不足で一人の業務も増え、余裕がなく殺伐とした雰囲気になってしまうため人間関係も悪くなりやすい。
また利用者様からの暴力やハラスメントの問題もあり、業務上関わらないわけにはいかず難しい問題です。
人間関係が悪くなるとストレスがたまり、限度を超えた我慢は、人の心を破壊する危険性があり、場合によっては生活も困ることになり得ます。
人間関係が悪い場合の対処法
人間は相性もあるのでみんなと上手くいくことは難しいことですが、何を心がけたらいいのかを考えてみましょう。
- 丁寧な挨拶を心がける
- 信頼関係を築く(相手のことに興味を持ち話しかける、自分のことも開示する)
- 誰かの悪口を言わない
小さなことでも積み重なれば印象が良くなります。
しかし、人間関係がこじれてストレスを抱えていまい、病気になってしまうこともあります。
私の職場でもカウンセリングを受け、復帰した方もいます。
何か気になったら気軽にカウンセリング(心療内科など)を受けてみるのもオススメします。
チェックポイント
自分がどれだけ頑張っても、相手の対応や言葉遣いなどが変わらなければ、その場所から離れてみるのも選択肢として考えておくといいでしょう。
体力的・精神的に辛い
体力面では、介護業務はとにかく体力をつかい、体に負担をかける動作が多い職業です。
自分より体の大きな方の身体介護は介護技術をもっても、毎日のことなので身体を酷使しやすいでしょう。
多くの介護職員は腰痛を抱えており、
- 入浴介助
- 排泄介助
- 移動介助
- ベッド上での介助
など多岐にわたり腰に負担をかける場面も多いです。
介護業界の男女を人数比較してみても大体ですが、3:7の割合で女性が圧倒的に多い業界になります。
また、日勤と夜勤があり労働時間が長く(16時間を超えることも)、休日もなかなか取れないために不規則になりがちです。
精神面では、認知症の方に対応するには、それに対応する知識と経験が必要となってきますので、認知症のことがわからなければ利用者様に対して混乱を招くことになります。
認知症のレベルにもよりますが、
- 気分がコロコロ変化し、
- 怒りっぽくなったり
- 落ち着かなくなったり
といったことがよく見られるようになり、他の利用様にも影響がでてきます。
そしてその分、職員がその度対応しなければならなくなり、人手が足りなくなることはもちろん、毎日のことになるので非常にストレスがかかることは避けられません。
実際、介護職は一人の業務分担量が多いので毎日ストレスを感じている職員は多いようです。
体力的、精神的に辛い場合の対処法
介護職は腰痛になる割合が高いので、日頃から腰痛ベルトを着用し、腰に負担をかけないようにボディメカニクスなどを使い工夫して予防に心掛けましょう。
体力的にきついのであれば、比較的介護度の低い施設に勤めるなどすれば、体力的には軽減されるでしょう。
チェックポイント
自立度が高く、人数が少ない上に、設備が整っている施設は「リハビリデイサービス」です。
リハビリデイサービスとは、機能訓練指導員を中心に利用者様ひとり一人に合わせたリハビリテーションを考察し、自立支援する施設
ポイントはその施設の利用者さんの自立度の高さと設備が整っているかどうかです。
認知症の方は急に落ち着かなくなるとか、暴言が出たりして職員はストレスを感じますが、その対応を続けていれば、その方の行動パターンや癖が理解でき、自然に対処方法が見つかってくるものです。
また、認知症高齢者により質の高いケアを提供できる資格があり、「認知症介護実践者研修」などがあります。
このような資格を取得すれば、より専門的なことも学ぶこともでき、認知症ケア加算の対象となるため、事業所からも歓迎される資格となるでしょう。
介護に向いていない
自分に合う職業があれば一番よいですが、介護職はチームワークを心掛けなといけない仕事でもあります。
それに、なんといっても利用者様とのコミュニケーションは必須ですので、人と話すのが苦手だときついですね。
- コミュニケーションが苦手な方
- おむつ交換などの排泄介助が苦手
- 体力がない
このような方はきついと感じることでしょう。
介護に向いていないと思った場合の対処法
例えば、利用者様のためにと思って丁寧な仕事をして時間がかかったとしても、他の職員と比べ同じことをしているのになぜそんなに時間がかかるのかと思われたりもします。
そのような間で働けば丁寧で真面目な人ほど、時間通りにできない自分を責めて、自分は向いていないのではないかと感じる傾向にあります。
そのような方は利用者ファーストで向いているのかもしれません。
おむつ交換は初め苦手でも慣れたら大丈夫になりますよ。
向いてないと感じている人は、まず仕事にやりがいがあるかを考えてみてください。
なぜ向いていないのかを紙に書き出してみると、問題を客観化できます。
- 私の体験談
- 私は、介護職を20年ほど勤めてきました。
その中で実際に体験したことをお話しします。
私が経験したことは、上司からのパワハラ、モラハラでした。
今から考えればその当時はかなり追い詰められていました。
私の場合、会社にコンプライアンス部門があり相談して無事解決へと導いてくれました。
ですので、結果辞めることにはならなかったのですが、なにもしなければ辞めていたでしょう。
ぜひ皆さんも困ったことがあれば誰か相談できる人をみつけてください。
社内に相談窓口がない場合や、社内では解決できない場合は、厚生労働省が管轄する労働局や労働基準監督署内で総合労働相談コーナーが無料で相談を受けられ、電話でも受けてくれます。
まとめ
介護職は、人間関係、肉体的、精神的などの理由で悩むことが多いかもしれませんが、一番大事なことは、体調が悪くなるまで我慢してはいけないということです。
精神面や身体面を崩しては自分の生活も困難な状態になってしまいます。
すぐに軌道修正できるように、日頃から誰かに相談できる人がいるだけで気持ちも楽になります。
これからの超高齢化社会に向けて介護職は社会にとって需要な役割を背負っているわけですから、政府はこれからも安定安心した仕事ができるようにサポートしてほしいですね。